
アレルギーを持つ子どもとその家族が、我慢することなく外食を楽しめる社会を目指して、赤ちゃん本舗が開発した『低アレルゲンおこさまランチ』。
SNSの声をきっかけに始まったこの挑戦は、シリコンバレーで得たヒントを元に、飲食店でアレルギー対応食の提供を手軽にする新しい仕組みづくりへと動き出しました。その開発秘話や想いを、赤ちゃん本舗の新規事業推進の樋口さんと奥さんにお聞きしました。
一通のSNS投稿から始まった挑戦と解決のヒント

『allumy(オルミー)』開発されたきっかけを教えてください。
きっかけは、2023年にX(旧Twitter)でつぶやかれた「アカチャンホンポでこのアレルギー対応食品を扱ってほしい」という声でした。
赤ちゃん本舗は、もともとアレルギー対応食品を他社と比べて多く取り扱っており、品揃えには自信を持っていました。それでも「足りない」というお客様の声があったのです。
その話を社内でしていたところ、部内のメンバーから意外な告白がありました。「実は私も子どもの頃アレルギーを持っていて、両親が外出する際、出かけ先で何が食べられるかわからないから、食べられるものをたくさん持って出かけていた。すごく大変だったんです」と。そんな苦労があるのかと知り、どうにかしたいという思いを強く持つようになりました。
その後、グループ企業研修でシリコンバレーを訪れる機会がありました。最先端のイノベーションを学ぶ研修で出会ったのが、世界最大級のYouTuber、ミスタービーストが展開する「ミスタービーストバーガー」というサービスでした。チャンネル登録者数3億人を誇る彼が手掛けるこのサービスは、アメリカ全土の飲食店と契約し、食材だけを各店舗に提供するというものです。契約店舗は届いた食材を調理してバーガーを作るだけ。これにより、ミスタービースト自身は1店舗も構えることなく、アメリカ全土でミスタービーストバーガーを食べられる仕組みを実現していました。
このサービスに大きな衝撃を受け、「このモデルを応用すれば、日本全国でアレルギー対応食品を提供できるのではないか」と考えました。

帰国後、どう動くべきか考えていたところ、セブン&アイグループの社会課題解決型ビジネスコンテスト「SMiLE2024」に応募する機会がありました。2人でこの事業プランを提案したところ、見事採択され、2025年3月から事業化に向けて動き出すことになりました。
約1年間活動を続け、現在では「北海道生まれ 和食処とんでん」さんの一部店舗で扱ってもらえるまでになりました。
小売店としてアレルギー対応食品は扱っていましたが、外食分野には何もできていなかったことに気づかされました。実際に多くの方に話を聞いていくと、「外食する際、自分の子どもが食べられるものがある店がわからない」という不安や、「食べられるものがある店にしか行けない」という声が多数ありました。
子どもだけでなく、親御さんも食べたいものがあっても、子どもが食べられるものがなければ、その店は最初から選択肢に入らないのです。
もし私たちが提供する商品がその店にあれば、「今まで行きたかったけれど行けなかった店」に家族みんなで行けるようになる。「食べられるもの」ではなく、「食べたいもの」で外食先を選べるようになる――それを目指して、今事業を進めています。
アレルギーを持つお子さんだけでなく、我慢しているご両親も含めて、家族みんなが楽しめる外食を実現したい。それが大きな目標です。
安全・安心を最優先にしたこだわり

商品の特長、美味しさの秘訣やこだわりを教えてください。
最大のこだわりは、特定原材料8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・乳・卵・落花生)不使用であることはもちろん、提携先の工場が原材料の仕入れ先まで徹底的に確認している点です。その先でもアレルゲンを使用していないことまで確認し、安心・安全を担保している材料を使用しています。
私たち自身で商品を作れるわけではないため、製造していただく工場の安全性を何より大事にしました。スタート段階では、まず最も安心できる状態のものを提供したいと考えています。今後は皆様の声を聞きながら進化させていきたいと思っています。
工場で作っていただける範囲にはなりますが、できる限りお子様向けの仕様にしています。たとえばピザは、ピーマンも彩りとして乗せたいところを、お子様がより喜んで食べられるよう、ピーマンは無しにしました。
開発、製造する上で大変だったことはありますか?
最も大変だったのは、8大アレルゲン不使用のものを作れる工場が非常に限られていることでした。
様々な飲食店で扱ってもらうため、簡単に調理できるセットを作って卸すことを考えていました。お子様ランチをセットで冷凍納品し、店舗では解凍して盛り付けるだけにしたかったのです。
通常の食材であればできる工場はあるのですが、アレルギー対応食品でそれができる工場がなかなか見つかりませんでした。8大アレルゲンを使っていない工場自体が数社しかなく、すべてにアタックしましたが、ハンバーグ、ウィンナー、野菜、ご飯をそれぞれパッキングしたものを、さらに外装でパッケージングして飲食店に届けられるようにしたいと伝えると、「そんなことは絶対にできない」とほぼ断られてしまいました。
結局、最後に今提携させていただいている工場が「できる」と言ってくださり、実現にこぎつけました。1つにまとめるということ自体が難しく、コンタミネーション(混入)を含めた安心・安全な商品づくりには多くの壁がありました。
『低アレルゲンおこさまランチ』はどんな人に召し上がっていただきたいですか?
アレルギーをお持ちの方はもちろんですが、一般のお子様にも食べていただきたいです。
先日、千葉駅のマルシェでハンバーグの試食を行いました。「美味しい」と多くの方が言ってくださいました。アレルギーの有無にかかわらず、皆様に食べていただきたいのです。
低アレルゲン、アレルギー対応食というと、「美味しくない」という先入観を持たれている方が多いと思います。しかし、「アレルギーの子はこっち」というふうに分けるのではなく、みんなが同じものを食べてほしいと思っています。
どうしてもアレルギー対応食品は価格が上がってしまうのが現在の課題です。一般的なファミリーレストランのお子様ランチは500円ほどですが、私たちが納品する場合、もう少し高い価格になってしまいます。それでも、「食べたい」という方が来られる選択肢を提供することが大切だと考えています。私たちは「食べられるものがある」という世界を作りたい。気軽に外食を楽しんでほしいのです。
「北海道生まれ 和食処とんでん」一部店舗で提供スタート

『低アレルゲンおこさまランチ』『低アレルゲン米粉ピザ』はどこで食べることができますか?
「北海道生まれ 和食処とんでん」とのコラボレーションで生まれた商品で、2026年1月27日から提供がスタートしました。北海道14店舗、関東10店舗でお召し上がりいただけます。
期間限定ではありますが、全店展開や期間延長も検討中です。反響があれば延長も考えられますので、ぜひ店舗に足を運んでいただきたいです。
赤ちゃん本舗としては、離乳食から幼児食、そしてアレルギー対応食まで、すべてを外食でご提供できるようなサービスを作っていきたいと考えています。特にアレルギー対応食については、今後メニューの幅を広げていこうと力を入れています。
提供メニュー・店舗詳細はこちらをご覧ください
最後に…イートイズ読者の皆様に一言お願いします。告知などもありましたら。
食物アレルギーをお持ちのお子様や保護者の方、みんなが我慢せずに外食を楽しんでもらえるようサービスを提供したいと思っています。
私たちは『全てのお子様に食べる喜びを』というテーマを掲げています。いろいろな場所で、赤ちゃん本舗が食物アレルギーをお持ちの方もそうでない方も、みんなに喜んでもらえるメニューを提供していきたいと考えております。
そのために提携していただける企業をどんどん増やしていきたいと思っていますので、もし赤ちゃん本舗がコラボしているメニューを見かけることがあれば、ぜひ食べてほしいです。

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